あまくまリカちゃん学校へ行こう

2010年3月14日付けの琉球新報からの引用です。
小学5、6年生が県内の企業や団体で働く人々から理科実験を学ぶ2009年度「あまくまリカちゃん学校へ行こう(社会人講師活用型教育支援)プロジェクト」(県公衆衛生協会主催)が9日、本年度最終授業を迎えた。同日までに25校44授業を展開し、3599人が生活に根差した理科の楽しさを体感した。

◆うんちで発電も? 馬天小、温暖化対策考え
畜舎からのふん尿を資源として利用していることを学び、環境問題への関心を高めようと8日、南城市立馬天小学校で6年生を対象に特別授業が行われた。
同授業は県公衆衛生協会の社会人活用型教育支援プロジェクトの一環で行われ、南城市玉城で畜産と食堂を営む吉元弘さんが講師を務めた。
児童らは、ブタのふんを使うと聞き「うわー」「くさそう」とのけぞったが、「畜産農家から流れ出すふん尿で深刻化した河川の汚染と、自分の幼少のころと比べて実感する地球温暖化をどうにかしたかった」という吉元さんの話に、次第に引き込まれ、真剣な表情で聞き入っていた。
吉元さんが独自に考案した「メタン発酵浄化装置」で作ったメタンガスを袋に閉じこめ、袋につながれた細い管の先に火を近づけると、「ボー」という低い音が鳴り、ガスバーナーのように火が噴き出した。児童らは、ブタのふんから生まれたガスの火の勢いに驚きの声を上げた。
吉元さんは「メタンガスは、家畜のふん尿や飲食店の残飯、家庭の生ごみなどを資源として作ることができ、石油などに代わるエネルギーとなりうる」と話し、「発電できる仕組みを作り、温暖化防止につなげたい。若い皆さんも自分にできることは何か考えて生活してほしい」と訴えた。
実験時に、管を持つ役をした嶺井里央君は「うんちで火が起こせるとは思わなかった。メタンガスはコンロなどにも使えそう」と身近な資源に期待を込めた。

◆海の生物、手で触れ関心 与儀小、サンゴの大切さ学ぶ
那覇市立与儀小学校では2日、“海の博士”こと、沖電開発の岡田敏さん(41)による授業「海のかんきょうについて調べよう」が行われ、児童らは海の生物に親しみながらサンゴの大切さを学んだ。6年の児童たちはまず、黒くて滑らかなナマコや大小さまざまなヒトデを手に取り、その感触に歓声を上げた。「きゃーっ」「気持ちいいよ」「結構重いぜー」。初めは恐る恐る。少し慣れると「どこが顔?」「裏はどうなってる?」と顔を近づけた。
「サンゴは動物?植物?」。岡田さんはこんな質問を児童に投げ掛け「実はサンゴは動物。でも体の中に褐虫藻(かっちゅうそう)という植物プランクトンをすまわせている。一つの生き物に、動物と植物の二つの生き物が入っている」と説明した。海の生き物が互いにつながっていることも伝え「サンゴが死んじゃうと生き物がいない海になっちゃう。だからサンゴを大切にしよう」と呼び掛けた。
サンゴが死滅する理由について、児童からは「オニヒトデ」「赤土」「海水温の上昇」「埋め立て」「生活排水」など次々と声が上がった。地球温暖化などに伴う海水温の上昇で褐虫藻が逃げ出し、サンゴが死滅する「白化現象」も学んだ。
児童はサンゴを増やす「植え付け」にも挑戦した。直径3~4センチの円形の台に約1センチのサンゴの枝をくくりつける作業だ。岡田さんたちが約半年間いけすで育て、約7~8センチに成長した後、海に移植するという。きれいな海を守るために、児童たちは「海にごみを捨てない」と力を込めた。

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