温暖化対策の強化を背景に、企業のエネルギー使用量の一層の抑制を目指す「改正省エネルギー法」の2010年分が4月に施行されます。従来は事業所ごとのエネルギー消費量を基準にしていましたが、事業者単位で各拠点を合算したエネルギー消費量が問われるようになり、小規模な拠点を多数持つ企業も、新たに対策を迫られます。
改正省エネルギー法施行を控え、例えば、東芝(6502)は3月17日、白熱電球の生産を打ち切りました。「白熱電球」は、東芝が1890年の創業時に日本で初めて実用化した製品です。
政府が環境対策として2012年までに家庭用の白熱電球を廃止する方針も打ち出しているため、他社に先駆けて120年の歴史に幕を下ろしたのです。今後東芝は、LED照明など消費電力が小さい省エネ照明に本格的に軸足を移します。
また、LED照明器具国内最大手パナソニック電工は、従来機種に比べ希望小売価格を4割程度引き下げた住宅用LEDダウンライトの新製品20機種を4月下旬に発売します。国内照明専業メーカーなどが2万円を切る低価格ダウンライトを相次いで市場投入していることに対抗します。同社は、15年度にはLED照明関連の売上高を09年度予想比約10倍の1000億円規模に伸ばす計画です。
そして、09年秋にLED電球に参入したパナソニックは、LED電球の生産を国内からインドネシアに全面移管し、4月をめどに年産能力を現在の約4倍の360万個に引き上げます。パナソニックは海外の自社工場に生産を集約してコストを削減し、まず国内でシェア首位を狙うそうです。
一方、日経産業地域研究所の調査によれば、まだ高額なLED照明を買いたいという人が3割を超え、注目度が高いことが分かっています。節約のためになる商品には消費者の関心が強いのでしょう。つまり、LED照明の爆発的な普及の素地は、今後の量産効果などでの値下がりで、ほぼ整いつつあるとみてよさそうです。
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