プラグインハイブリッドはアメリカで生まれた

プラグインプリウスの意味
今回はトヨタ自動車のエコカーの大本命と目される「プリウス プラグインハイブリッド」を取りあげる。2009年12月から、法人などの特定顧客を対象にリース販売が始まっている。

ハイブリッド車の進化版であり、将来の自動車の大本命といわれるプラグインハイブリッドはどこからきたのだろうか。米国のプリウスユーザーの中に、プリウスを改良して大量のバッテリーをラゲージスペースに敷き詰め、家庭の電源から充電してEV走行(エンジンを使わずにモーターだけでの走行)を愉しむ人達がいたのを見たことがある。それは自分のお気に入りにつくり込むカスタマイズ文化の国、アメリカらしい光景であった。

このプラグインハイブリッドの発想は電気自動車から生まれたものだが、カリフォルニア州ではZEV(ゼロエミッション車)規制という、電気自動車やそれに準じるエコカーの販売を増やしていくよう自動車メーカーに促す州法が1990年に制定された。

大気汚染で悩むカリフォルニア州の大都市、ロサンゼルスでは自動車メーカーにテールパイプから出る有害な排ガスをゼロにするという法案が州議会で可決されたわけだった。GMとトヨタは赤字覚悟で電気自動車を市販し対応した。だが、充電時間が長くかかるわりに航続距離が短い電気自動車は、州政府の思惑通りには普及しなかったという苦い経験がある。

知り合いの米国在住の自動車ジャーナリストにこんな話を聞いた。あるプリウスユーザーが1990年代の電気自動車の失敗を思い出し、別のバッテリーをプリウスにたくさん搭載すれば、電気自動車の欠点を補えると考えたのだと。2005年ころから米国ではプリウスのバッテリーパックをカスタマイズする業者も現れた。

電気自動車で街中を走り、郊外はエンジンを使って走ることができるプラグインハイブリッドはハイブリッド車の新しい進化の方向を示していた。CO2の排出という側面では、発電所での排出はあるものの、ガソリン車よりは一次エネルギーの利用効率が高くなるため大きく減らせる。

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