二酸化炭素やメタンに比べ、水蒸気は大気中に存在する量も、赤外線の吸収量共に桁違いに多い。二酸化炭素の吸収できる赤外線の波長域は限られているが、赤外線の吸収率から言えば、メタンは二酸化炭素の40倍以上であり、水蒸気はさらに高い。その一方、水蒸気は地上付近で熱を奪って蒸発し、雲となって日光を遮るなど、温暖化を強く抑制する働きも持つ。代表的な例としては、下記のようなものがある。
高空で凝縮する際に放熱し、雨や雪氷の形で地上に戻るサイクルを通じて宇宙空間への放熱を促進する。
雲が増えることで太陽光の宇宙への反射率が高まる。
二酸化炭素やメタンの場合はこのような作用が無い。
このように水蒸気は温暖化に関して、互いに相反する作用を併せ持つ。このため、水蒸気の影響の評価には雲や降雨を含めた大規模な数値シミュレーションが必要となる。
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