風力発電の問題点

風力発電の最大の問題が「風」であるとは変な話です。あの台風やサイクロンのエネルギーは1000000000000000000J(ジュール)程といわれ、広島型原爆数千個分にも相当しますが、これほどのエネルギーがありながら、我々人類はそれを有効利用する術を知りません。強い風に風力発電は弱いのです。

風力発電のさまざまな問題

出力変動
風力発電の出力は昼夜問わず不随意に変動するため、需要への追従は基本的に他の調整力に富んだ電源(火力発電、貯水式水力発電など)に頼ることになります。ただし実用上支障が無い程度まで、出力の平滑化や負荷追従を行うことは可能です。また近年は発電量の予測技術も開発されているそうです。

短時間の変動
風力発電は風速の変動に従って出力が需要と無関係に変動し、電圧や力率の変動をもたらします。この変動は一般に太陽光発電に比べても大きいです。特に導入量が小規模の場合は高い周波数成分を含む変動が多くなります。しかし大規模に導入した場合、変動は大幅に緩和され、系統側の負担が小さくなります(導入規模の影響を参照)。実際、デンマーク、ドイツ北部、スペインなどにおいて、信頼性を犠牲にせずに電力供給量の20-40%を風力で賄えることが実証されています。

長時間の変動
風力発電の導入価値は、風の強い時間帯(季節)と電力需要の多い時間帯(季節)が重なる場合に相対的に大きくなります。一般には、夜間や冬期の暖房需要の多い場合には他の電源に比較して特に導入価値が高くなる。マッチしない場合(他電源による夜間電力が既に余っている場合など)にはその分価値が低くなります。ただし他電源に比較すると、運転状態を保つために燃料を投入する必要が無い分、無駄は少ないです。

強風
風力発電機の最大の敵は強すぎる風です。風力発電機には定格風速があり、定格を大幅に超える速度で運転すると原動機の焼損やブレードの破損などを招く場合があります。そのため風速が過大な場合は、保護のために速度を抑制するか、場合によっては一時的に発電を停止します。

落雷
落雷による故障は風力発電が停止する大きな原因の1つです。ブレードへの落雷により、ブレードが物理的に破壊される場合が多いです。大型機ほど地上高が高くなるため、被雷しやすくなります。日本では、冬季の日本海側にて被害が大きいです。これは日本海側の冬の雷が、エネルギー換算で、夏の雷の100倍にも達するほど強いためです。このため1MW機が実用化されるにあたり、設計変更と交換のために半年の期間を要した例もあります。近年は日本のメーカーにより、このような強力な雷に対応した機種が開発されています。台風対策と相まって、セールスポイントになる例も見られるようになりました。

騒音(低周波)
風力発電機の騒音(風切り音)は一時期問題とされましたが、近年は大きく改善され、通常は問題にならない水準に達しています。大きな改善点の1つが、ブレードの翼断面の改良です。昔の風車では航空機用の翼断面を用いていたため、翼端周速が100~120m/sに達し、騒音を大きくする要因となっていまsた。この翼端周速は風車専用の翼断面(厚翼)を用いることで大幅に低下し、現在は大型機でも60m/s程度となっています。

用地確保
風力発電機を2機以上設置する場合には、卓越風向に対して垂直方向に風車直径の3倍、平行方向に10倍程度の距離が必要です。ただし風車そのものが占有する面積は小さいため、畑や牧草地など、高さ方向の余裕を必要としない場所に設置すれば土地の確保の問題は小さくなります。また近年は洋上発電も実用化されつつあります。

発電量予測
風力発電の事業化にあたっては、事前の風況の調査が重要です。風は不随意に変動しますが、その変動量や変動速度、平均強度などは確率的に取り扱うことが可能です。風力発電の発電量もまた、確率・統計的に取り扱うことができます。このため事前にある程度の量のデータを集めておくことにより、相応の確度で風況や発電量の予測を行うことができるのです。

鳥への影響
現在一般的な円柱状タワーを用いた風力発電所(オトンルイ風力発電所)イヌワシ、クマタカ、オオタカなどの希少猛禽類の幼鳥が、風力発電のブレード(回転羽根)に衝突(バードストライク)して死亡するケースがあります。衝突死の多くは鳥が風車の回転範囲を通り抜けようとして、回転翼を避けずに体が切断されることにより生じる。一説にはモーションスミア現象によって高速の羽根が見えず、反対側の景色が透けて見えるため鳥が気づかないためといわれています。

景観
風力発電機の設置に当たっては、自然景観への影響が問題になる場合もあります。例えば風光明媚な観光地などでは、風力発電機の設置によって景観が変わるために反対される場合もあります。一方、せと風の丘パークのように、大型風車が林立する雄大な光景を新たな観光資源とする動きもあります。この他にも、北海道幌延町の風力発電所(28基設置)は北海道をツーリングする若者に人気があり、若者を中心に観光資源としての認識が増えつつあります。

電波障害
風力発電の風車が立てられ始めた頃から、電波障害への懸念が相当数存在していたが実際にはそれほどの苦情は発生していません。電波障害となる要因には遮蔽障害と反射障害が考えられ、それぞれが回転翼部分と静止しているタワーとその先端のナセル部分が影響する可能性があります。(出典:Wikipedia)

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