電気のいらない自動ドア

2010年末に開催された環境展示会「エコプロダクツ2010」で、これまで未利用だった
エネルギーを有効活用していることで、ひときわ大きな注目を集めたエコグッズがある。
福島県会津若松市に本社がある従業員6人の企業、有紀の小規模なブースには、
開催期間中(3日間)に4500人が訪れた。
お目当ては、同社が製造・販売する電気のいらない自動ドア「オートドア ゼロ」だ。
オートドア ゼロは、梃子(てこ)の原理を利用して開閉を行う、電気のいらない自動ドアだ。
人がドアの前に立つと、体重(20kg以上が必要)によって床に埋め込まれた踏み込み板が
2cmほど沈む。
その力がドア内に埋め込まれた滑車へと伝わり、ドアが開く仕組みだ。
利用者が通り過ぎてしまえば、引力によってドアは静かに閉まる。

オートドア ゼロの踏み込み部分。
電源が不要なため、漏電・感電の心配がないといったメリットもある。

この商品は既に特許を取得しており、2009年8月に販売をスタート、2011年1月末の時点で
約30件の導入実績がある。
「発売当初は、地元会津若松の企業が主な顧客だったが、現在は、老人介護施設などを運営
する医療法人、高速道路のサービスエリアからの引き合いが多い」と同社の
橋本保代表取締役は語る。

その理由について橋本氏は、「このドアは、通り過ぎる間は自分の体重によって開いたまま
になるので、電動の自動ドアのように老人や障害者がドアにはさまれる危険がない。
電気を使わないので二酸化炭素(CO2)の低減にもつながる。
そのため、CO2を多く排出している自動車関連業界のなかでも、特に高速道路総合技術研究
所(NEXCO総研)からは、環境対策の面で高く評価してもらっている」と語る。

オートドア ゼロは、2009年7月に東名高速道路の浜名湖サービスエリアに導入され、
「2010年には、NEXCO総研と共同開発を行う調印をした」(橋本氏)という。

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