地中熱とは地下の比較的浅い部分にある比較的低温の熱を意味する。地熱の一種ではあるが、火山活動等に伴う地球内部からの熱ではなく太陽エネルギーによる熱である点が異なり、一般に火山活動由来の熱である地熱とは区別される。
アイスランドや日本の鉄輪温泉のような一部の火山地帯においては、浅い地中でも火山活動に伴う高温蒸気や高温の岩盤が多く存在し、熱源として直接利用されるが、本項では火山活動と無関係に浅い地中に存在する低温の熱をヒートポンプを用いて利用する方法について扱う。
地下の温度は土壌の断熱機能により大気の温度変化の影響を受けにくく、一年を通してほぼ一定であることを利用し、古くから食品や氷の保存に利用されてきた。20世紀に入るとヒートポンプによる積極的な温度差利用が行われるようになる。冬場は、地中から熱をすくい上げる(暖房)、夏場は地上の熱を地中に放出する(冷房)という形で利用する。エアコンのようにコンプレッサを用いるものの他、地下水や不凍液等を循環させることにより熱運搬を行うものもある。ランニングコストは安いものの機器が高価である点がデメリットである。動力部分を地中に埋めることで原動機から出る低周波や騒音を遮断できる。
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